ある日、森の中、くまさんに出逢った。
ある日、森の中、くまさんに出逢った。
立ち姿、デカイのなんの。圧倒的な迫力だった。
北海道に移住したのが、2007年秋。
途中、2年の南米チリでの暮らしを経て、三笠市に来たのが昨年の春。
北海道ってこんなとこかな。と、日々の生活から徐々に体に染み込んでくる感覚もあるけど、
あの瞬間、全身で感じた北海道は、想像を超える巨大な獣が暮らす、野生の大地だった。
ヒグマちゃんです。
剥製ではその立ち姿は見たことあったけど、実際に、30m先、自分と目が合う形で、ヒグマが立っていた。
夕方の西日を浴びて、体毛が黄金色だった。
未知との遭遇。
直感的に、この生き物には絶対的に敵わない。って感覚と、「この距離なら逃げられる」という感覚が同時に起こって、次の瞬間には背を向けて森を駆け下りていた。
一応の知識として、ヒグマに逢ったら背を向けて逃げちゃダメ。「背を向けて逃げるものは追いかける」習性がクマにはあるから。という実験映像を見て知っていたけど、あの瞬間、そんな知識は吹っ飛んでて、本能のままに走り出してた。
5m程走って、アチラが追いかけてこないことが分かり、ちょっと冷静に。そうだ。背をむけちゃいけなんだった。
で、やや落ち着きながら、でも小走りに森を後にする。
恐怖心が消えると、「やった!野生のクマに逢えた!」という嬉しい、ちょっと誇らしげな気持ちがこみ上げてくる。
星野道夫さんが、東京で電車に乗りながら、「この瞬間にもクマは、アラスカの大地を歩いている。」みたいなことを書いていたのを読んだけど、気分は既に道夫ちゃんで、「ふんふん、そういうことか。彼らはいつも、ぼくたちと同じ大地に住んで、呼吸して、山の幸を食べて、一家団欒、楽しく暮らしてるんだ。」ってことが、感覚で理解出来る。
ぼくが出逢ったのは、ヒグマの家族だった(に違いない)。
北海道三笠市「森かえる」の森。
これからドームテントを常設する前に一度、簡易テントで森に泊まってみよう。と、夕方、楽しい焚き火用に、薪を拾いに森に入った。
手をパンパンと叩いて、森に入った。生き物の気配無し。と思っていたけど、その時すでに、ヒグマのファミリーは、同じ丘の向こう斜面でくつろいでいたはず。
しばらく倒木を集めた後、集め始めるとどんどん持ってきたくなるもんで、丘のてっぺんに薪を探しに行くことに。
もうこちらも安心していて、まさかクマなんていないでしょ。と思ってた。
「ま、でも、万が一ってこともあるからね。」
と、丘のてっぺんを目指しつつ、手を一回、「パン!」と叩いた瞬間、
「ドドドドドドドドーーッ!!!!」
と、今まで聞いたことない、デカイ生き物の群れが反対側の丘を駆け下りる音が。
『え?! デカイ鹿の群れ? であって欲しい。クマ?いや、嘘でしょ。ないない。」
ドキドキしながら、丘の向こうを覗いてみる。
丘の向こう側には、自分と同じように、こちらを覗いているデッカいヒグマの姿。
その間、僅かに3秒程。
その映像を、ここ数日間、何度も頭の中で見返している。
もうあそこでドームテントなんて、無理かな。と帰り道に思った。
相談すると、嫁さんが、こんなサイトを教えてくれた。
「北海道野生動物研究所」
http://www.yasei.com/index.html
所長と電話で話す。
所長はこれから、知床にヒグマに逢いに行くそうだ。声が弾んでいて、「ヒグマ大好き」振りが思いっきり伝わってきた。
所長曰く
・30mは、クマが許容出来る距離。(それ以上近づいた距離での遭遇は危険な時も)
・ホイッスルと鉈(なた)を持って森に入る。
・クマをこちらが先に見つけた時は、「ホッホッホッホッ」と優しく声をかけてあげると大丈夫。
・たまに向かってくるクマもいるけど、その時は、「コラーーット!」と叱ると大丈夫。
所長は毎年、知床にヒグマに逢いに行くと、お母さんクマは、自分の子供を見せにくるそうな。
そんなこと聞いちゃうと、俄然、親近感。
で、クマは無茶、記憶力が良くて、一度見た人は絶対忘れないって。
ということは、あの、お母さんか、お父さんクマは、ぼくのことを覚えているはず。
「森かえる」。
緊張感を持って、またあの森に帰ってみようと思います。
さてさて、もうあれから2ヶ月が経ちますが、
3月末には、三笠の森で、記念すべき第一回、「森かえるキャンプ」を、日帰りですが、三笠の皆さんと一緒に開催することが出来ました。
究極のエコハウス、「エクセルギーハウス」の建築家である黒岩さん、札幌のマンションで、電気代月200円!を楽しく、創造力一杯に実践するオフグリッド女史、はらみづほさん、森の「おじじ」こと、堀川林業の高篠社長始め、三笠の皆々さまのおかげで、最高の二日間となりました。
はらみづほさんが創ってくれた映像がこちらです。
そして、北海道新聞の空知版にて、記事にしてくれたのがこちら。
ヒグマに逢っても、ケロッとイキイキ!
「森かえる」。
いよいよ夏本番に向けて、動き出しますよーっと。
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